民間企業との共同研究事業として,モンゴル・ウランバートル市内の2箇所において,試掘した地中熱交換井のサーマルレスポンス試験を行いました。
現場は市中心部から少し離れた,いわゆる「ゲル地域」と呼ばれるところで,牛や羊などが当たり前のようにうろうろしています。
試験は,降雨や盗難防止のために現場に設置されたゲルの中で行いました。初めて入ったゲルは独特の匂いがしましたが,外気温の影響を受けにくく,試験にはとても良い環境でした。
しかし,不安定な電源事情や,濃度の高い不凍液の使用などにより,当初予定していた試験条件を変更せざるを得なくなりました。
さらに,試験中に装置の制御が効かなくなるトラブルがありましたが,何とかリカバリーし,2箇所のべ140時間以上にわたる試験を無事終えることができました。
8月のモンゴルは暖かく過ごしやすい時期ですが,地面の下の温度は5℃以下です。このような寒冷地で試験を行うのは初めてなので,戸惑うこともありましたが,とても良い経験になりました。
何より,トラブルはありましたが,私の作った装置ががんばってくれたことが自信になりました。今回の経験を踏まえ,信頼性向上のための改良を行いたいと思います。
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